
冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。
トーマ・ヴェルナー。
そして、ユーリに残された1通の手紙。
「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。
信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。
透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。
今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。
萩尾望都
冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。
トーマ・ヴェルナー。
そして、ユーリに残された1通の手紙。
「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。
信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。
透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。
今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。
コメント
萩尾望都作品を読むのは、二作目です。
トーマの死の意味にようやく気がついたとき、雲間から光がさすような、暗く長いトンネルから抜けたような、柔らかでいて強烈な衝撃でした。
そして私は冒頭のページを開き直しました。
ここで描かれている世界も分かんないし、
これを読んで胸躍らせている世界も、
理解できないんですけどね。
でも、まあ、読みごたえはありました。
オスカーやろなー、推すとしたら笑
ユーリには必ず理解できると信じたから、トーマは死を選んだのだな。
と、大筋はこれなのだけど、彼らを取り巻くそのほかの少年たちの様々な心の葛藤も丁寧に描かれていて見所満載。
主人公たちや,このものがたり自体は,それほど評価しているわけではありません。
ただ,ただトーマがいとおしくて。
あんなふうに生きられたならよかった,と。
誰かの悲しみを憂い、誰かの幸福を祈る――簡単そうで、時にすべてを投げ出す覚悟を求められさえする。
読み返すほどに、静かに心に降り積もる――さらさらと輝く結晶のような名作。