トーマの心臓

冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。
トーマ・ヴェルナー。
そして、ユーリに残された1通の手紙。
「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。
信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。
透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。
今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。

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コメント

  1. user より:

    (2010.10.29読了)(2010.10.13借入)
    漫画「トーマの心臓」を読んだのは、1981年です。
    あんまり印象には残りませんでした。

    「ポーの一族」「スターレッド」「百億の昼と千億の夜」等の方がずっと好きでした。

    最近、森博嗣著「トーマの心臓」を読んだので、もう一度漫画の方を読んでみました。

    森さんの本よりは分かりやすいように思いますが、テーマは、無償の愛ということのようなので、苦手のテーマです。

    見合いで結婚した神さんに、「私のこと愛してる?」って聞かれて、即答できず、ずいぶん責められました。
    愛というのは、未だにわかりません。

    ユーリを好きなトーマが、トーマの愛を受け入れてくれないために、鉄道自殺をしてしまいます。
    表面上は、冷静にふるまっているユーリですが、ユーリには、以前上級生に煙草に火を押し付けられる等のリンチを受けて、心に傷をもっている、という事情があったのです。
    寄宿舎で、ユーリの同室になっている、オスカーは、ユーリが変な気を起こしたりしないように見張る役目だったのです。
    (ユーリは、先輩のサイフリートたちの招待に応じ、リンチされ、神を裏切る行為をしてしまったことで、天使の羽を失い、ひとを愛し信じることを止めた。

    トーマの記憶が薄れてしまう前に、トーマにそっくりのエーリクという転校生が現れます。

    人間には、邪悪な心が潜んでいて、ときどき牙をむいたりします。
    ユーリにも邪悪な心があり、エーリクにちらりと牙をむけたりします。

    最終的には、人は人とかかわらずには生きていけないということを理解して、受け入れて、生きて行くということなのでしょう。

    エーリクの母が、交通事故で亡くなり、学校に無断で出かけたエーリクをユーリが迎えに行きますが、漫画では、単独で行きます。
    森さんの小説では、オスカーがユーリに同行します。
    オスカーの視点から描いてあるので、そうせざるを得なかったのでしょう。

    漫画では、母を失ったエーリクをトーマの両親が引き取るという話が出てきます。
    エーリクとトーマは遠い親戚だった、というのです。

    小説で出てくる、校長のセミナーの話は、漫画では出てきません。

    ユーリのリンチの話や受けた火傷の傷、トーマがなぜ自殺をしたのか、ユーリがエーリクやトーマを受け入れて行く様子は、漫画の方がわかりやすいように思います。

    よくわからないのがこの漫画の中で、「ルネッサンスとヒューマニズム」という本の持っている意味、です。

    ●天使の羽は(89頁)
    (ユーリ)ぼくは賛美歌を歌い神を語るふりをする。
    でもぼくはすでに天使の羽をもたない。
    ぼくは毎週家へ愛をこめた手紙を書く。
    ぼくは学校では信頼の厚い委員長だ。
    でもぼくは誰も信じてはいない。
    愛してもいない。
    だから誰もぼくを愛してくれなくともいいのだ。
    信じてくれなくともいいのだ。
    ふりをし、つくろい、えりを正し、なにくわぬ顔をしてぼくは生きていけるのだから・・・
    ●ベートーベンはなぜ遺書を(104頁)
    (先生)「なぜベートーベンはハイリゲン・シュタットの遺書を書いたんだ」
    (エーリク)「好きな女にはふられるし、ヒスを起こすので友人はよりつかないし、酒を飲みすぎて胃は痛むし、へつらうには自尊心が高すぎ、近視で難聴でもうめちゃくちゃだったので」
    ●ゲーテがベートーベンの友人?(105頁)
    (エーリク)「ゲーテはベートーベンをごうまんないなかっぺと言って彼のことではかんしゃくばかり起こしているし―」
    ●どこが面白い(155頁)
    (エーリク)「女の子と知り合いになってどうするの?」
    (仲間)「その!
    楽しいじゃない。
    話をしたり、キスしたり」
    (エーリク)「それのどこが面白いの?」
    ●トーマはアムール(恋神)(161頁)
    (オスカー)トーマの中にはアムールが住んでいたんだ。
    それも極めつけの上等の。
    それはもうそれだけで、触れた人間を幸せな気持ちにせずにはおかないような何かが。

    ●好かれるのなんかまっぴら(180頁)
    (ユーリ)「ぼくはね人から好かれるのなんかまっぴらだね!
    友情や行為や同情や・・・。
    そんなものは迷惑だよ!

    ●ヘッセについて(194頁)
    (エーリク)詩人になりたい、さもなくば生きていたくないとヘッセ入ったが小説家として名を成してしつこく85歳まで生きた。
    若いころは学校は退学、本屋に勤めりゃ三日で逃げ出すホートー息子

    ☆萩尾望都の本(既読)
    「ストローベリーフィールズ」萩尾望都著、新書館、1976.11.05
    「少年よ」萩尾望都著、白泉社、1976.12.25
    「月夜のバイオリン」萩尾望都著、新書館、1981.12.25
    「戯曲・半神」萩尾望都・野田秀樹著、小学館、1987.10.20
    「斎王夢語」萩尾望都著、新潮社、1994.09.20
    「左手のパズル」萩尾望都著・東逸子絵、新書館、1995.08.05
    「思い出を切りぬくとき」萩尾望都著、あんず堂、1998.04.23
    「トリッポンのこねこ」萩尾望都著・こみねゆら絵、教育画劇、2007.02.
    「トリッポンと王様」萩尾望都著・こみねゆら絵、教育画劇、2007.02.
    「トリッポンとおばけ」萩尾望都著・こみねゆら絵、教育画劇、2007.02.
    「トーマの心臓」萩尾望都原作・森博嗣著、メディアファクトリー、2009.07.31
    (2010年11月7日・記)

  2. user より:

    ギムナジウムものでよくあるテーマであるイニシエーション
    萩尾望都の描く少年たちは瑞々しくて大すき
    もういちど読んでからレビューを書く
  3. user より:

    いつも解説文がすごくて草。
    いつも何かに重ねて誰かを見てしまうという愛とエロスの不可能性を驚くべきほどの耽美さで表現した作品。
    そして無償の贈与…
  4. user より:

    愛と許しについて。

    ユーリが一人で行ってしまったのは、納得しつつも寂しいなあ。
    別にシュロッターベッツから去らんでもいいやん…。

    シドさんの愛の深さに胸打たれる。
    身ひとつで雪まみれのサンタみたいになって飛んできたとことかほんまに(;_;)
    これはユーリの物語やったけど、幸薄そうなオスカーとシドさんもうんと幸せになってほしい。

    しかしこれが40年近く前の発行とは。
    萩尾望都は偉大なり…

  5. user より:

    【レビューになっていないので皆さん、スルーで(笑)】

    えへへ・・・今回は題名の通りレビューになっていないレビューだったりして??

    正直に言うとね、お世話になってるフォロワーさんとちょいと思い出を話してたらそういえばってこのレビューに(笑)

    なので正直に言うとこの作品、私が子供の頃、父の海外赴任でオーストラリアに住んでた時に読んだけど内容をほとんど覚えていない・・・って、駄目じゃん(笑)

    ではなぜこの作品を掲載したのかって事だけど・・・それは読んでからのお楽しみって事で(笑)

    あはは・・・ここまで聞くと続きが知りたくなっちゃうよね??

    だけど最初に断っておきますが、異端な話が嫌いな方は即、退場してねっ!

    Allez-vous-en!
    Allez-vous-en!

    もう・・・大丈夫かな??
    ここには破戒者しか残っていないよね??

    では安心して・・・興味津々で瞳を輝かせ続ける異端の皆さん、心臓は大丈夫ですかぁ~??

    では、いきますよぉ~!

    【本文】
    さあ、まずは記憶を探りながら『トーマの心臓』の概要を・・・って、思ったけど、読んだのが中1の頃だったのでほとんど覚えてないっ(笑)

    この『トーマの心臓』って、1974年に『少女コミック』という少女向けコミック雑誌に掲載されてた、あの『11人いる!
    』なども執筆された超有名な女流漫画家の萩尾望都さんの作品で・・・

    前述したように内容は殆ど覚えていないけど・・・でも読んだ後のショックはいまだに忘れられないほど(笑)

    覚えていないからって今更、買って読むのも恥ずかしいので・・・取り敢えず概要を再確認する為にWIKIから転記っ(笑)

    ”ある雪の日、シュロッターベッツ・ギムナジウムのアイドルだったトーマ・ヴェルナーが陸橋から転落死し、ギムナジウム中が騒然となる中、委員長であるユリスモール・バイハン(ユーリ)のもとにトーマからの遺書が届く。

    事故死とされていたトーマの死が自殺であること、トーマが死を選んだ理由が自分自身にあることを知り、ユーリはショックを受ける。

    数日後、ギムナジウムに亡くなったトーマとそっくりの転校生、エーリク・フリューリンクがやってくる。
    エーリクを見るたびにユーリはトーマと重ねてしまい、怒りや憎しみをあらわにすることすらあるのだが、そこにエーリクの母の事故死の知らせが入り、悲しみにくれるエーリクをユーリは慰め、これを機会に2人は次第に心を通わせていく。

    エーリクはユーリへの気持ちを深めていくが、心の傷を呼び覚まされたユーリは再びかたくなな態度を取るようになる。
    しかし、ひたすらユーリを愛し信頼を得たいと願うエーリクの言葉から、ユーリは、トーマがユーリの罪を自ら引き受け、あがなおうとし、そのために自分の命を代償にしたのだと悟る。
    そうしてユーリは、自分を取り巻く多くの愛と幸福、そして自分を見守っていた周囲の人々に気づく。

    神はどんな人をも愛し、許していることを知ったユーリは、神父となるために神学校への転校を願い出、ギムナジウムを去る。

    そうそう、こんな感じの話だった!

    先入観なく読んでみると何だか普通の恋愛漫画っぽい雰囲気がするので問題は無いような気がしてくるけど・・・皆さんもそう感じたでしょ??

    でもね・・・本作を実際に読んでみると、ありゃりゃ・・・恋愛してるのはどちらも男の子じゃんってびっくりしちゃうのですっ!

    これって本気モードの男の子同士の同性愛漫画・・・現在のBLの先駆けと呼べる作品で・・・何故か会社の宅配サービスの段ボールに入っていた本作を読んだ妹が怪しくにやけながら、”ねえ、これ面白いから読んでみて”って一巻を貸してくれたのがきっかけで・・・

    正直、最初は普通の恋愛ものかと・・・でも読み進めていくうちに、何かおかしいなぁ~~~~~~って、違和感がっ(笑)

    思い込みって怖いもんだねぇ~!

    名前も設定も全て男性であるのにも関わらず、妹に二巻目を借りるまで、同性愛って事に全く気付いてなかったかも(笑)

    その時のショックって・・・それまで推理小説や歴史小説など、お堅い本しか読んだ事が無かった私にとって、まさに天地がひっくり返るほどの衝撃・・・って、想像つくでしょ??

    恥ずかしすぎてしばらくの間、妹の目をまともに見る事が出来なかった・・・って、いやあ~、女の子は男よりも成長が早いっていうけど・・・ホント、怖いっ、怖いっ(笑)

    暫くして妹に何故、読ませたのか聞いてみたら、あっけらかんと”お兄ちゃんの学校って男子校でしょ、だったらこんなこともあるんじゃないの?”って(笑)

    ”冗談でしょ”って、その時は笑い飛ばしたけど、気になって同級生たちの言動を観察してみると・・・ひぇぇぇぇぇ~~~、現実は漫画よりも奇なりで・・・実際にあっちゃったりして???

    そんな”気がある男の子”に一番人気だったのは、卒業までずっと同じHRにいて親しかったスチュアートで・・・

    彼って学校全体でも下から数えた方が早いほど、ずっと背が低く、いつまでも華奢(きゃしゃ)で女の子みたいな声質で・・・産毛など全く存在していない静脈のか細い蒼いラインが微かに浮き出た透き通った肌に、爽やかな蒼い宝石のようなつぶらな瞳、少しの風にもそよいでしまう綿のような細毛の金髪で・・・彼が微笑むだけでその気が無い人でも思わずドキッとときめいちゃうほどのキュートな男の子!

    そんな彼が髪を伸ばせば、本物の女性の中でも断トツの美少女風の顔立ちをしてて・・・ブルーの瞳なので太陽光アレルギーを持ってて、いつも校舎壁際の日かげのベンチに、女の子のようにちょこんと座って広場で遊ぶ私達を静かに見てたかも!

    そして二番人気は赤毛の・・・誰だっけ・・・名前を忘れちゃった(笑)

    彼もスッゴク可愛くて、薄い赤毛なので健康的に日焼けした肌・・・って、言っても日本人とは比べ物にならないほどの透き通った白い肌・・・でもスチュアートとは違って腕や顔にそばかすが沢山あるけど・・・に緑の瞳・・・そうそう、芸能人のベッキーを子供にして華奢にした感じの明るい子で、彼も髪を伸ばせばスチュアートには負けるけど、それでも一般的な女の子よりもはるかに可愛らしい容姿をしてて・・・

    そんな男の子たちがいれば・・・そりゃ、人気が出るよね・・・って、女人禁制の男子校だしっ??

    そんな当時の私のハイスクールって”美少女にしか見えない男の子”達がかなりいて・・・道路を挟んでチョイ行ったところに女子校があるんだけど、そこの女の子たちが霞んで見えるほどレベルが高いって巷では評判だったほど・・・(笑)

    そういえば一般的に、”女の子はお父さんに似て、男の子はお母さんに似る”ってよく言われてるよね??

    実際、授業参観時の彼らお母さんが絶世の美女ばかりで・・・お姉さんじゃなくてホントにママなの?って訊いちゃうくらいの美少女って感じ!

    なので、あれって真実だって確信できるよねっ!

    そんな可愛い男の子達の周りにはひっきりなしに”その気がある男の子”が集まってて・・・驚くべきことにスチュアート以外、みんな男子と付き合っているのがおぼろげに判明・・・って、性に大らかすぎるでしょ・・・的な(爆笑)

    でも一番人気のスチュアートだけは結局、どんなに言い寄られても卒業まで誰とも付き合わず、結局、親しい友人は私だけ??

    うわぁぁぁ~~、当時は何とも思わなかったけど、今から思えばスチュアートって・・・いやいやいやいやいや・・・ノーマルだっただけでしょ・・・多分??

    でも、向こうの学校ってメンバーが固定されたクラスってHR(ホームルーム)しか無くて、授業は全て選択式なんだけど、英語以外全ての科目が同じだったような??

    そういえば私が『CADET(豪州軍の士官候補生)』をクラブ活動で選んだ際も、アレルギーを持ってる彼は入部を許可されず、それでも教官にゴネて、みんなの前で泣きだしちゃったことがあったっけ??

    それからしばらくして私は10年生の時に向かいの女子校の子と付き合ったんだけど・・・しばらくの間、スッゴクそっけなかったような??

    ありゃりゃ・・・勿体ない事したかな~、って、無い、無い、無い、無いっ・・・ホントにノーマルなので誤解しないでね・・・って、地球上に存在しない会話をしてるよねっ(笑)

    もしかしたらスチュアートって私のブサイクな顔が好みだったかもしれないし・・・って、あはは・・・悲しくなるからこれくらいにしとこっと(笑)

    それで学校内で付き合ってる人たちだけど、その行動はかなり大胆で・・・校舎に囲まれた広場の端に図書館、兼、礼拝堂があるんだけど、空いた授業の合間にそこに入り浸っては・・・とか、テニスコートの裏の土手でとか・・・いや、何をやってるかは知らないよ、興味もなかったし・・・でも、今から思えば・・・的な??

    そういえば面白い事があって、オーストラリアって猛毒を持った動物が多くて・・・そんなある昼休み、”蛇だ~”って、土手から必死に駆け上がってくる三人を見て思わず口があんぐり・・・全員がズボンを履いてなかった・・・って、こわぁぁぁぁぁぁぁ~~(笑)

    そんなハプニングがあったけど当時、地域では最高レベルの学校で・・・いやぁ~、文化の違いって怖いですなぁ~(笑)

    まあ、そんな感じで思い出話だけしかしてないけど・・・『トーマの心臓』って、画がスッゴク綺麗で・・・こうやって思い出を掘り返す為にネットで出てくる絵を見てると、ノーマルな私でもそうなっちゃうよなぁ~って、妙に納得しちゃったりして(笑)

    でも、彼女がいる男性にはきついよぉ~!

    だって作品の男の子たちが可愛いすぎるっ!

    なので同じ男性として自信喪失・・・的になっちゃったり??

    あはは・・・でもまあ、良いんです!

    限りある人生、その瞬間にしかできないことが山のようにあるので、その瞬間を思いっきり自分の好きなように生きれば良いんです!

    かと言って・・・相手を傷つけるようなことは絶対にNGだけどね!

    男女ともに本作のような傾向が強まれば、少子化対策には絶対にならないけど・・・でも、幸せならそれもハッピーって事で(笑)

    一応、言っときますけど・・・本作に興味が出たからって頭が固い人や純粋な方は読まない方が良いよ??

    忠告を聞かないで暴走した挙句、ショックで暫く立ち直れなくなっちゃってもしらないからね!

    彼女には絶対に読ませたくない・・・むうでした!

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