
冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。
トーマ・ヴェルナー。
そして、ユーリに残された1通の手紙。
「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。
信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。
透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。
今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。
萩尾望都
冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。
トーマ・ヴェルナー。
そして、ユーリに残された1通の手紙。
「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。
信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。
透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。
今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。
コメント
当時森博嗣が好きで、森博嗣がかなり褒め称えて紹介していたので購入。
その時は、「オスカーとユーリ超イイ!
w」という感想と、よくわからないけど洗われた気持ちになったなぁというぼんやりした感想でした。
あれからしばらく経ち、何度も読み返しましたが、読むたび新しい感動があります。
萩尾先生…すごすぎる…
ユーリがトーマの言葉の意味に気付くシーンの美しさは異常です。
タイトルだけ知っていたもののずっと未読だった作品。
ここに描かれているのは、形ばかりのBLなどではない。
ドイツ、寄宿舎、天使のように美しい少年達、どれをとっても日本の少女たちの日常とはかけ離れた、ファンタジー的異世界において、香りのようにたちのぼり、蒸留され純化される「愛」そのもののかたちである。
でも目を離すことができず、つい引きこまれてしまうパワーがある。
これが「名作」と呼ばれる作品のチカラか(@@)。
もう、こんなに力のある言葉は今の少女漫画では見れないと思う。
ドイツ、ギムナジウム、当然出てくるのは男の子ばっかり。
自分とは一切接点がない。
でも、目の前で彼らの息遣いが聞こえてきそうなぐらい、彼らの生はリアル。
傷つけあって、支えあって、それぞれの『愛』にむきあっていく彼らをBLとか、そういう言葉で片付けたくない。
最後まで読むと、この「トーマの心臓」というタイトルが別の意味をもつことになる。
岡崎京子がリバーズエッジでいっていた「僕たちの短い永遠」を、もっと、ずっと前に、しかもこんなに美しく描いてたなんてモー様さすが。
BLに抵抗がある人も、ぜひ読んでほしい。
あと、オスカー萌え。
懐かしい作品。
皆で何度も回し読みして今手元にある2冊の傷み具合も
当時を思い出させて懐かしさがこみ上げます。
私達の間では圧倒的にオスカーが人気でした。
ドイツのとある寄宿制の男子校が舞台で、
今で言うBLモノのハシリ?とも
思われるだろうけど、改めて読みなおすと
その手の香がほんのり漂いながらも
ハッキリと別モノって思います。
ある、事件をきっかけに
人を愛する真心を封印してしまうユーリ。
トーマは命を差し出して
愛は全てを許すことが(他人も自分自身も)
出来るとユーリに伝えたかったのかな。
ラストで神学校へ1人向かうユーリと
見送るエーリックとオスカー。
救われたユーリの清々しさ
友が去っていく寂しさ
どちらも切なく愛おしい。