残酷な神が支配する 萩尾望都 2023.09.16 復学したジェルミが突然ハムステッドのイアンの元へ戻ってきた。それは、あの自動車事故からちょうど一年がたった日だった。追憶の中に現れる、グレッグ、サンドラ、そしてジェルミとイアンの真の姿と愛は?完結! レビューを見る 購入・お申し込みはこちら
残酷な神が支配する (10) (小学館文庫 はA 40) とにかく細かく描写を延々と綴ります。 私たちの日常でありがちな、主語の無い会話のイライラ「やめる?」「何を?」「旅行を?」「二人の関係を?」「何を?」早く言えといった、一瞬の不信や迷いや怒りを入れ込んで行きます。 そこにただの絵物語ではない、実はよくある悲劇なのだと感じさせます。 萩尾望都の世界は、そこに実在していない人物が普通に現れ、少女漫画を読みなれていない人には、「これ何?」「この人誰?」「何でこの人、急に葉っぱが生えてるの?」と、ストーリーや登場人物の迷子になるかもしれないけど、これが物凄くパニックしている精神状態に迫力を加えます。 じれったいくらいに現実を知らなかったイアンが、現実を知るシーン「さあ、代償を払え」主人公のジェルミに義兄のイアンが殺人の告白を迫るシーンとにかく台詞がかぶります。 会話と口には出していない思考や雑念が同時に、しかも、この順番でこれは同時に読め。と指図もされた様なコマ割りの緊迫シーンは迫力です。 わあー。萩尾さんやってのけた。 親自身が抱えているトラウマをそっくり子供は押し付けられる。 生物として未熟で親に依存して育つしか選択のない子供は、親の感情に引きずられ、支配され、呪いをかけられるようなもの。 親はそうして自分の人生の供養を子供にさせる。 この漫画の登場人物は、カウンセラーを含め、実は誰も正論を言っていない。 私もそう言う。私でもそうすると共感します。 しょうもないカウンセラーの言うしょうもないカウンセリングシーンは、実際にネットやメディアでよく見る感じでリアルなダメさのえぐり出しに、萩尾さんのアンテナが冴えます。 インターネットで正論を持って糾弾が大好きになってしまった想像力のない人達にも読んで貰いたい。
残酷な神が支配する (10) (小学館文庫 はA 40) 文庫で全10巻。 最初、10巻大人買いする勇気がなくて、4巻しか買いませんでした。そうしたら、一番苦しいところまででぷっつり途切れてしまって、苦しくて苦しくてとても後悔して、もう続きも買わないし、持っている4冊も売ってしまおうと思った。でも、最後まで買って本当ーーーーに、良かったです。 義父に性的虐待を受けていたこと、義父を殺そうと仕掛けた事故により誤って母親を死なせてしまったことがきっかけで、深く苦しんでいるジェルミ。ジェルミは黒髪で、巻き毛で、まゆげがキリリと長く、まつげも長くて、濡れたような美しい目をしています。 愛が信じられなくなってしまったジェルミを必死に抱きしめる義兄のイアン。イアンもまた、ジェルミとどう向き合えばいいのかわからず、利己的な気持ちも抑えられず、苦しい。 お気に入りは、マージョリーです。自殺未遂を繰り返している設定なのだけど、作中ではたしか、1回しかしない。そしてそうでないときはいつも、ころころ気分がかわって、どこにでも行っちゃう、わがままで、頭の回転のはやい、とっても可愛い女の子。 性格が会社の同期にそっくりで、かわいくてたまりませんでした(笑)。こういう女の子にふりまわされるの、けっこう楽しいですよね。作中ではお友達が明るくて、ほっとします。 トラウマがあるすべての人に。
残酷な神が支配する (10) (小学館文庫 はA 40) はぁ・・・終わった・・・。 解決という解決はしていないし、誰しも癒しきれない傷を抱えたまま生きていくことには変わりない。 それでも、ジェルミはサンドラ、イアンはグレッグと向き合えたことは大きいです。 愛する人がいてるから、受けとめてくれる人がいてるから、自分を捧げる人は親から他人へと変わっていく。 感じ方は人それぞれですが、これほどまでに精神を揺さぶられる漫画を読んだことがありません。 この作品を世に出し書ききってくださった、先生に感謝。
コメント
残酷な神が支配する (10) (小学館文庫 はA 40)
私たちの日常でありがちな、主語の無い会話のイライラ
「やめる?」「何を?」「旅行を?」「二人の関係を?」「何を?」
早く言えといった、一瞬の不信や迷いや怒りを入れ込んで行きます。
そこにただの絵物語ではない、実はよくある悲劇なのだと感じさせます。
萩尾望都の世界は、そこに実在していない人物が普通に現れ、
少女漫画を読みなれていない人には、
「これ何?」「この人誰?」「何でこの人、急に葉っぱが生えてるの?」と、
ストーリーや登場人物の迷子になるかもしれないけど、
これが物凄くパニックしている精神状態に迫力を加えます。
じれったいくらいに現実を知らなかったイアンが、現実を知るシーン
「さあ、代償を払え」
主人公のジェルミに義兄のイアンが殺人の告白を迫るシーン
とにかく台詞がかぶります。
会話と口には出していない思考や雑念が同時に、
しかも、この順番でこれは同時に読め。
と指図もされた様なコマ割りの緊迫シーンは迫力です。
わあー。
萩尾さんやってのけた。
親自身が抱えているトラウマをそっくり子供は押し付けられる。
生物として未熟で親に依存して育つしか選択のない子供は、
親の感情に引きずられ、支配され、呪いをかけられるようなもの。
親はそうして自分の人生の供養を子供にさせる。
この漫画の登場人物は、カウンセラーを含め、実は誰も正論を言っていない。
私もそう言う。
私でもそうすると共感します。
しょうもないカウンセラーの言うしょうもないカウンセリングシーンは、
実際にネットやメディアでよく見る感じでリアルなダメさのえぐり出しに、
萩尾さんのアンテナが冴えます。
インターネットで正論を持って糾弾が大好きになってしまった想像力のない人達にも読んで貰いたい。
残酷な神が支配する (10) (小学館文庫 はA 40)
買った日:2005/04/06
買った所:文教堂書店 新城店
値 段:\\610
残酷な神が支配する (10) (小学館文庫 はA 40)
最初、10巻大人買いする勇気がなくて、4巻しか買いませんでした。
そうしたら、一番苦しいところまででぷっつり途切れてしまって、苦しくて苦しくてとても後悔して、もう続きも買わないし、持っている4冊も売ってしまおうと思った。
でも、最後まで買って本当ーーーーに、良かったです。
義父に性的虐待を受けていたこと、義父を殺そうと仕掛けた事故により誤って母親を死なせてしまったことがきっかけで、深く苦しんでいるジェルミ。
ジェルミは黒髪で、巻き毛で、まゆげがキリリと長く、まつげも長くて、濡れたような美しい目をしています。
愛が信じられなくなってしまったジェルミを必死に抱きしめる義兄のイアン。
イアンもまた、ジェルミとどう向き合えばいいのかわからず、利己的な気持ちも抑えられず、苦しい。
お気に入りは、マージョリーです。
自殺未遂を繰り返している設定なのだけど、作中ではたしか、1回しかしない。
そしてそうでないときはいつも、ころころ気分がかわって、どこにでも行っちゃう、わがままで、頭の回転のはやい、とっても可愛い女の子。
性格が会社の同期にそっくりで、かわいくてたまりませんでした(笑)。
こういう女の子にふりまわされるの、けっこう楽しいですよね。
作中ではお友達が明るくて、ほっとします。
トラウマがあるすべての人に。
残酷な神が支配する (10) (小学館文庫 はA 40)
だから軽いトラウマ。
残酷な神が支配する (10) (小学館文庫 はA 40)
解決という解決はしていないし、誰しも癒しきれない傷を抱えたまま生きていくことには変わりない。
それでも、ジェルミはサンドラ、イアンはグレッグと向き合えたことは大きいです。
愛する人がいてるから、
受けとめてくれる人がいてるから、
自分を捧げる人は親から他人へと変わっていく。
感じ方は人それぞれですが、これほどまでに精神を揺さぶられる漫画を読んだことがありません。
この作品を世に出し書ききってくださった、先生に感謝。