
双子の姉妹ユージーとユーシー。
神のいたずらで結びついた2人の身体。
知性は姉のユージーに、美貌は妹のユーシーに。
13歳のある日、ユージーは生きるためにユーシーを切り離す手術を決意した……。
異色短編「半神」、コンピューターが紡ぎだす恋の歌と夢「ラーギニー」、植物惑星オーベロンでも男女4人の一幕劇「真夏の夜の惑星」など香気あふれる傑作ストーリー全10編。
萩尾望都
双子の姉妹ユージーとユーシー。
神のいたずらで結びついた2人の身体。
知性は姉のユージーに、美貌は妹のユーシーに。
13歳のある日、ユージーは生きるためにユーシーを切り離す手術を決意した……。
異色短編「半神」、コンピューターが紡ぎだす恋の歌と夢「ラーギニー」、植物惑星オーベロンでも男女4人の一幕劇「真夏の夜の惑星」など香気あふれる傑作ストーリー全10編。
コメント
知性を持っているが、老人のようは姉と
美貌をもっているが、赤ん坊のような妹。
合わせ鏡の二人の葛藤、とはいえ、知性を持つのは
姉だけなので、もっぱら姉の心の動きで物語は進む。
そして二人が離れる時が。
なんとも切ない気分になる物語。
収録されている作品全ていいけど、
最後の作品がすごい。
その町は1年立つごとに、力を持った少女を中心に、
町の大人たちの力を使って、1年前に戻ることを
もう何年も繰り返している。
そのまま時が流れつづければ核戦争で滅びる運命にあるからだ。
子どもたちには知られないように繰り返されてきた儀式を、
主人公たちはのぞきに行って知ってしまう。
自分には、大きくなって天文学者になることも、
好きな女の子より背が高くなることもない。
子どものまま永遠に時間がとまってしまうのは、
とても残酷だ。
それでも皆を生かすため時間を繰り返す…。
こんな作品を描ける萩尾希望都さん、
漫画家というだけでなくSF作家です。
表題作『半神』はあまり気持ちの話ではありませんが、萩尾望都の凄みを感じさせる作品です。
ショートコミックの枠を超え、あとからあとから沁みこんでくる作品。
『トーマの心臓』も『銀の三角』も『メッシュ』も大好きだけれど、この、わずか16ページの表題作「半神」を読んだ時の、底冷えのような震えは、忘れられない。
収録された他の短編も、佳作揃い。
最後に置かれた「金曜の夜の集会」の、光に満ちたかなしさが、忘れ難い。
最後に救いを用意してあっても、何か痛みがのこるような、残酷さも残しつつな、そんな感じです。
作品はどれもすごいものばかりですが、この「半神」ぐらいインパクトの強い短編を読んだのは初めてでした。
私の初萩尾望都は「トーマの心臓」でそれも手に取ったのが遅くて文庫ではじめて読みました。
それから「ポーの一族」「11人いる!
」「イグアナの娘」とかもう読みあさりました。
どれも★★★★★です。