ローマへの道

頭角を現していく同期生に焦りを覚えるダンサー・マリオ。
彷徨する青年の心の軌跡をドラマチックに描く長編ロマン。

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コメント

  1. user より:

    バレエの美しさ、競争の大変さ、嫉妬、過去の辛さに向かい合い自分を表現して初めていいものが生まれる、愛。
    これらを混ぜた物語。
  2. user より:

    萩尾望都のバレエ系。

    パリのコンテンポラリーバレエ団に晴れて入団したローマ出身の主人公の男の子とその同期の子たちの群像劇。

    モノローグが多くて主人公の心の内がかなり書いてあるのですが、びっくりするぐらい性格が悪い…というか、つまり、リアルということかな。
    ニコニコしてスマートに対応してるようで、心の内では、同期よりも自分が上とか、あいつがいい役をもらったとか、とにかく妬み嫉み負の感情のオンパレード。
    ガールフレンドの成功も喜べずイライラをぶつけてしまう。
    DVまで。
    そんな人を主人公に置くマンガって珍しい。

    でもそこは萩尾望都。
    バレエマンガもよくあるバレエマンガではなく、どちらかというと心のどろっとした動きにフォーカスを当てたストーリー運び。
    彼女は内面を主題において環境に反映するような作品が多いですね。
    とくに、幼少期を受けたトラウマの克服および、克服しきれず一生付き合ってゆくその人のなかの黒いものなど。

    「すべての道はローマに通ず」という外国のことわざがあるけど、主人公の心の棘も焦りもすべて、実は彼が幼少期に体験したことが原因であることに、主人公とともに読者も気がつく。
    過去と向き合い、母と向き合い、そして仲間を認め、バレエ表現に昇華する。

    主人公だけを追うとちょっと息苦しいところもあるけれど、周りの仲間のエピソードや造形が癒やし。
    とくに、背が180センチあってバレエダンサーになることを諦めていた年上の同期の女性が、魅力的だったなぁ。
    サバサバしていて視野が広い。
    妬み嫉みで視野が狭くなりがちな主人公の男の子と対極的。

    SFのイメージがある萩尾望都は意外にもバレエ漫画を一時期よく描いている。
    彼女がバレエに惹かれるのはよくわかる。
    ダンサーの体の動きの絵が美しいから。

    表題作のほかに、あと2つバレエをテーマにした短編が入ってる。
    そちらのほうが好きかもしれない。
    バレエ団の世界って興味深い。

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