
ぼくたちはロケットが大好きだった。
土曜日の朝の宇宙空港、爆音とともに大空へ消えゆく光点。
いつかあのロケットで星の海を渡っていくことを、ぼくたちはずっと夢みていたのだった…。
少年たちの宇宙への憧れに満ちた表題作をはじめ、深海の闇にまどろむ恐竜を100万年の時を越えてよびさます「霧笛」、万聖説の宵は妖魔たちの饗宴「集会」など、レイ・ブラッドベリの傑作短編を萩尾望都が描く、珠玉のSFポエジー全8編。
萩尾望都
ぼくたちはロケットが大好きだった。
土曜日の朝の宇宙空港、爆音とともに大空へ消えゆく光点。
いつかあのロケットで星の海を渡っていくことを、ぼくたちはずっと夢みていたのだった…。
少年たちの宇宙への憧れに満ちた表題作をはじめ、深海の闇にまどろむ恐竜を100万年の時を越えてよびさます「霧笛」、万聖説の宵は妖魔たちの饗宴「集会」など、レイ・ブラッドベリの傑作短編を萩尾望都が描く、珠玉のSFポエジー全8編。
コメント
本当に、本当にグッとくる1冊。
宇宙と人間と生命の神秘と、
そのなかで人間がおりなすせつなさと。
全部、1冊で、読める。
表題作の「ウは宇宙船のウ」と巻末の「宇宙船乗組員」は、SF色の強い作品です。
もちろん短編なので、凝った世界設定などに読みどころのある作品ではなく、地上につなぎ留められた人間が広大な宇宙に夢を馳せるロマンティシズムが表現されています。
「泣きさけぶ女の人」や「ぼくの地下室へおいで」は、幻想的な結末が印象的な作品です。
こうしたテイストの短編といえば、おなじく「二十四年組」の一人である山岸凉子の得意分野という印象が強いですが、本書の作品は緊迫感が若干控えめな一方、抒情性が強く現われているように感じられます。
これは素晴しいですよ。
両方読んでみると面白いかも
初めて読んだときは衝撃を受けました。
とくに「霧笛」を読むたびになぜか泣きそうになります。
永遠を生きる孤独の悲しみ、途方もない時間待つにもかかわらず報われない愛。
切ないです。
「ぼくの地下室へおいで」は読後しばらく考え込んでしまう作品。
なにかがおかしい、じわじわと見えない何かによって変化させられていく怖さを感じ取るロジャー。
でも何も根拠はなく、不安も漠然としているので「そんなこと気にしてもしょうがない」「疲れているんでしょう」と取り合ってくれないのが普通。
でも人はいつもそういうサインを見逃し、また先送りにして本当に困ったときに慌てて対策を考えるはめになるのは何とかならないんかな?とか考えてしまう。
そしてマニーの考えはほとんど的を得ているけどもあり得ないしあくまでも憶測。
ラストになんとなくゾクッとします。
原作の方も読みたいです。