
その日、生まれてきたのはとても可愛い女の子だった。
だけどなぜか母親の目には、その子の姿がイグアナに見える…。
母と娘の間に横たわる愛と憎しみの葛藤を描いた表題作ほか、両親にスポイルされた少年が人生をみつけるために戻らなければならなかった場所「カタルシス」、アバンチュールへの一瞬の迷い「午後の日射し」、コミックス未収録の短編「帰ってくる子」など6編の異色傑作集。
萩尾望都
その日、生まれてきたのはとても可愛い女の子だった。
だけどなぜか母親の目には、その子の姿がイグアナに見える…。
母と娘の間に横たわる愛と憎しみの葛藤を描いた表題作ほか、両親にスポイルされた少年が人生をみつけるために戻らなければならなかった場所「カタルシス」、アバンチュールへの一瞬の迷い「午後の日射し」、コミックス未収録の短編「帰ってくる子」など6編の異色傑作集。
コメント
想像してたのと違って、とても重かったです。
収録作品も含めて、リアルな恐ろしさと迫力を感じました。
この人と漫画をもっと読みたくなりました。
…ってくらいイグアナが好き。
…ってところから入ったけど何度読んでも必ず泣く。
タイトルは巻頭の作品名。
やっぱりこのお話がダントツです。
人間になることを願ったイグアナの白痴的な浅ましさ。
イグアナの娘を毛嫌いする母親のエゴイスティックな浅ましさ。
愛情の裏側にあるカルマみたいなもののやるせなさがとてもリアルなんだな。
だから泣いちゃう。
…と思ってたけどもしかしたらあたしが大好きなイグアナが辛そうなのが悲しくて泣いたのかもしれないと今気づいた。
動物にするの、ズルい。
ふぬぅ。
自分ですら分からない心の澱や葛藤をイグアナや炊飯器などで象徴させて浮かび上がらせる、天才。
そんな傑作がいくつも詰まった短編集。
他の作品も、人間の、深い(ドロドロした感じではなく、他の人にはわからないけど本人にとってはとても深刻といったような)感情的な部分に触れていて、大変おもしろかったです。
お気に入りの本です。