
とある海辺の町、寺の坊主・秀胤(しゅういん)は、住職の孫・光胤(こういん)の言動が何かと気に食わない。
明るく奔放で人気があり、住職の血を引く光胤には、かわいい恋人までいる。
いい加減なあいつばかりが、なぜ?…悶々(もんもん)とする秀胤だったが!
●収録作品/光の海/波の上の月/川面のファミリア/さよならスパンコール/水の国の住人
小玉ユキ
とある海辺の町、寺の坊主・秀胤(しゅういん)は、住職の孫・光胤(こういん)の言動が何かと気に食わない。
明るく奔放で人気があり、住職の血を引く光胤には、かわいい恋人までいる。
いい加減なあいつばかりが、なぜ?…悶々(もんもん)とする秀胤だったが!
●収録作品/光の海/波の上の月/川面のファミリア/さよならスパンコール/水の国の住人
コメント
人魚にまつわる5つの短編が収録されていてそのどれもが切なくて温かい。
「波の上の月」と「川面のファミリア」が特に好きでした。
(2008/7/21)
完成度が高く、ハズレなし。
人魚というモチーフは共通させながら、家族、コンプレックス、友情、贖罪、同性愛とさまざまな物語を書き分ける作者の新人らしからぬ技量が際立っている。
うまい!
淡白なほどにすっきりした絵柄も、物語の淡さにマッチ。
感情を抑制しているようなベタ塗りの黒目が印象的。
乱反射する水面から人魚が顔をのぞかせている表紙のデザインも素敵。
住職とその周辺の人々、女学生、結婚してしまう女友達、父子家庭の親子、海女だったお婆さんなど、人魚×人間の関わり合いを描いた作品です。
出会えた喜び、別れの切なさ、それぞれが全部、1話の中にギュッと詰まってる。
人魚というイメージが固定されたものを題材に、よくここまで話が膨らませることができるなあ、と感心。
絵も語り口もあっさりしていて、読みやすい。
本作の人魚は魚類ではなく哺乳類。
わたし達の日常に、世界を構成する一部として人魚というファクターを投入するとどうなるんだろう、という考証。
過剰な移入はなく淡白だが、その手触りは暖かくユーモアがある。
人魚好きにはたまりません(笑)
人と人との間にある、何ともいえない感情をサラッと表現するのが上手な作家さんだと思います。
絵柄も好き。