ゴールデンライラック

ライラックの茂みの中で始まった、ヴィーとビリーの幼い恋。
しかし幸福は不意に終りを告げ、第1次対戦の暗い渦が時代を覆う。
失意の日々、見上げる空には希望のありかをさししめすかのように、いつも飛行機が高く飛んでいた……。
傑作長編の表題作ほか、世紀末ロンドンを舞台に錯綜する恋愛劇が進行する「ばらの花びん」、少年と青い瞳の少女の時を超える悲恋物語「マリーン」を収録。

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コメント

  1. user より:

    表題作「ゴールデンライラック」のほか、「ばらの花びん」「マリーン」を収録しています。

    「ゴールデンライラック」は、ヴィーことヴィクトーリアという少女と彼女の家に引き取られてきたビリー・バンの物語です。
    ヴィクトーリアの父親のスタンレィ氏が死んだことで、彼女たちは働いて生活をすることを余儀なくされます。
    最初はホテルで働いていたヴィーは、やがてクラブで働きはじめ、スティーブンス男爵と知りあいます。
    しだいに変わっていくヴィーを身ながら、ビリーは複雑な思いを胸にかかえます。

    「ばらの花びん」は、ミシェルという青年と、彼の年上の友人であるマルスラン、そして美しい未亡人のファデットと、ミシェルの姉のセザンヌの物語です。
    ファデットの夫が生きているとカン違いをしたミシェルは死ぬことを決意しますが、それがきっかけとなって登場人物たちがおたがいに心のなかでいだいている想いのねじれが解けることになります。

    「マリーン」は今里孝子の原作をもとにした作品で、少年時代にペイトン家に引き取られたエイブ・リーマンと、彼が子どものころに浜辺で出会ったマリーンという謎めいた美少女、そしてペイトン家の娘であるディデットの物語です。

    「ゴールデンライラック」のヴィーは、みずからの力で運命を切り開いていこうとする活力にあふれた少女です。
    他方「マリーン」のディデットほうは、すなおになれないツンデレ少女ですが、ゆがんだかたちではあるもののエネルギーが身体にみなぎっていることを感じさせられる絵が気に入っています。

  2. user より:

    少女コミックに三回に分けてこの作品が発表されたとき、私はまだ小学中学年だった。
    それでも、今読み返してみて、大方の本質を理解していたと気づくことができた。
    小学生も侮れない。

    『風とともに去りぬ』を読んだときにどことなく既読感があったのはこの作品に出会ったのが先だったからだろう。
    しかしスカーレットと決定的に違うのは、金のために結婚した夫を、彼女は彼女なりに愛したことだ。
    きりきりと柳眉をあげて難局を乗り越えるヴィーの表情が秀逸。
    萩尾望都の絵の巧さにあらためて感動した。
    この頃の絵柄が一番好きだったな。

  3. user より:

    第一次世界大戦の時代が舞台のお話です。
    こちらはイギリスの話。
    ヴィクトーリアとビリーのドラマティックラブストーリーでなんだか映画を見ているような話の流れだった。

    この文庫には表題作のほかに「ばらの花びん」と「マリーン」という短編漫画が入ってるんだけど、私はこっちの方が好きかも。

    とくに「ばらの花びん」、ドタバタした感じが面白かった。

    「マリーン」はラブストーリーなんだけどミステリアスなお話で面白かったです。

  4. user より:

    なんだろう。
    上手くいえないけど、この切なさは絶品。
    上手く説明できないけれど、時代なのかな。
    時間の流れや時代の流れ。
    それだけで物語になるのだ。
  5. user より:

    叶わぬ恋の3篇、と思って読み終えたけど、ヒロインたちのほうを主人公として読むとまた違うかも。
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